中学校の卒業式で使える保護者謝辞の例文集【そのまま読めるフル原稿付き】

中学校の卒業式で保護者代表の謝辞を任されたとき、「どんな言葉で感謝を伝えればいいのだろう」と悩む方は多いですよね。

保護者謝辞は、先生方や地域への感謝、子どもたちの成長、そして未来への願いを伝える大切なスピーチです。

この記事では、構成の基本から話し方のポイント、そしてそのまま使えるフル原稿例までをまとめました。

フォーマルな式典向けから短時間で話せるシンプルな謝辞まで、幅広く紹介しています。

感謝と思いを伝える言葉で、卒業式を心温まる時間に。どなたでも安心して使える内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

中学校の卒業式での「保護者謝辞」とは

中学校の卒業式では、保護者代表が生徒や先生方に感謝の言葉を伝える「保護者謝辞」が行われます。

これは、子どもたちの3年間の成長を見守ってきた保護者としての思いを言葉にし、式典の締めくくりを飾る大切なスピーチです。

ここでは、まず「謝辞」とはどんな意味を持ち、どのような流れの中で行われるのかを見ていきましょう。

謝辞の役割と意味（なぜ大切なのか）

保護者謝辞は、卒業式において「感謝」「成長」「未来」の3つを伝える役割を持っています。

これまで子どもたちを導いてくださった先生方、学校を支えてくださった地域の方々への感謝の言葉。

そして、卒業生たちが努力を重ね、成長してきた過程への誇りを表します。

最後に、これから新しい道を歩む子どもたちへ向けて前向きなメッセージを贈ることで、式全体を温かく締めくくるのです。

謝辞とは「感謝を形にした物語」といえるでしょう。

役割	伝える内容
感謝	先生方や地域へのお礼
成長	子どもたちの3年間の歩みを振り返る
未来	卒業後の希望と応援の言葉

卒業式のどのタイミングで述べるのか

保護者謝辞は、式の終盤に行われるのが一般的です。

多くの学校では、卒業証書授与・校長先生の式辞・送辞答辞などの後に続きます。

会場の雰囲気が感動的に高まる中で話すため、言葉一つひとつに重みが感じられる瞬間です。

そのため、声の大きさや話す速度、間の取り方も重要になります。

焦らず、ゆっくりと、心を込めて話すことが何よりも大切です。

謝辞に込めるべき基本の3要素

保護者謝辞には、基本となる3つの要素があります。

それは、「感謝」「思い出」「励まし」です。

まず感謝を述べることで、学校全体への敬意を示します。

次に、子どもたちの努力や学校生活のエピソードを交えることで、共感を呼びます。

最後に、卒業生へのエールを贈り、希望を感じる言葉で締めくくりましょう。

この3要素がそろうことで、誰の心にも残る謝辞が完成します。

要素	内容	ポイント
感謝	学校・先生方・地域へのお礼	丁寧で誠実な表現を選ぶ
思い出	成長や学校生活の振り返り	具体的な場面を短く紹介
励まし	卒業生への応援メッセージ	未来を信じる前向きな言葉で

このように、保護者謝辞は単なるスピーチではなく、学校生活の集大成としての大切な意味を持ちます。

次の章では、実際にどのような構成で文章を作っていくかを、時間配分とともに解説していきます。

保護者謝辞の基本構成と時間の目安

謝辞を作るときに最初に考えるべきなのは「流れ」と「時間配分」です。

中学校の卒業式では、全体の進行がきっちりと組まれているため、時間を守りつつ心に残るスピーチをすることが大切です。

ここでは、保護者謝辞の基本的な構成と、話す時間の目安についてわかりやすく解説します。

5つの流れで作る謝辞（導入〜結びまでの5ステップ）

謝辞は大きく分けて5つのステップで構成されます。

この順番を守ることで、自然で聞き取りやすく、感謝の気持ちがしっかり伝わるスピーチになります。

ステップ	内容	話す時間の目安
① 導入	保護者代表としての挨拶・式への感謝	20〜30秒
② 感謝	先生方・学校・地域へのお礼	40〜50秒
③ 思い出	子どもたちの成長やエピソードを回想	60〜90秒
④ 励まし	卒業生への応援・未来への希望	40〜60秒
⑤ 結び	お礼と締めの言葉でまとめる	20〜30秒

この5つを合わせて全体で約3〜5分になるように構成するのが理想的です。

聞きやすいスピードで話すと、3分でおよそ500〜600文字程度になります。

どのくらいの長さが理想？3〜5分の構成例

実際の卒業式では、保護者謝辞は「3分以内で」と指定されることもあります。

原稿を作る際は、声に出して読み上げながら時間を確認しましょう。

下記のような構成を参考にすると、全体のバランスを取りやすくなります。

部分	構成例	文字数の目安
導入	季節の挨拶と感謝	100文字前後
感謝	先生方や地域へのお礼	150文字前後
思い出	成長や学校生活の振り返り	200文字前後
励まし	卒業生へのエール	150文字前後
結び	再度の感謝と締めの言葉	100文字前後

このように、部分ごとのバランスを意識すると、聞く人にとって心地よいテンポになります。

特に中学校の卒業式は来賓や在校生もいるため、長すぎないことが最大のマナーと覚えておきましょう。

避けた方がよい話題とNGフレーズ

感動を伝えようとするあまり、つい話が長くなったり、個人的なエピソードを詳しく語りすぎたりしてしまうことがあります。

聞く人の立場や場の雰囲気を考え、以下のような内容は控えめにしましょう。

避けたい話題	理由
家庭の具体的事情や個人名	聞き手によっては不快に感じる可能性がある
他の生徒・先生との比較	誤解を招く表現になることがある
長い説明や感情的な話	時間超過や雰囲気の変化を招くことがある

謝辞は「誰かを称える言葉」であり、個人の想いを強く語る場ではないことを意識しましょう。

客観的で温かい語り口が、最も美しく伝わる方法です。

次の章では、実際に「印象に残る謝辞を作るためのコツ」を具体的に紹介します。

印象に残る謝辞を作るポイント

保護者謝辞をただの「形式的なスピーチ」にせず、心に残る言葉にするためには、ちょっとした工夫が大切です。

ここでは、聞く人の心を動かすための言葉選びや、声・表情の使い方など、スピーチを印象的に仕上げるコツを紹介します。

聞き手の心を動かす言葉選び

印象に残る謝辞は、難しい言葉を並べる必要はありません。

むしろ、誰にでも伝わるやさしい言葉の方が、人の心に響きます。

たとえば「努力」「成長」「支え」「感謝」など、シンプルな言葉に思いを込めることが大切です。

また、抽象的な表現よりも、具体的な出来事を一言添えることで、情景が伝わりやすくなります。

言葉選びのコツ	具体例
抽象的な表現を避ける	「皆さんの努力に感動しました」→「合唱コンクールでの真剣な表情に感動しました」
感謝の対象を明確にする	「先生方に感謝します」→「担任の〇〇先生をはじめ、全ての先生方に深く感謝申し上げます」
シンプルな構文を使う	「〜してくださったおかげで」など、自然な日本語でつなげる

具体的な言葉で伝えることが、感動を生む第一歩です。

感情を伝えるトーンと間の取り方

謝辞では、内容と同じくらい「話し方」も印象を左右します。

焦って早口にならず、少しゆっくりめのテンポで話すと、聞く人が内容をしっかり受け止められます。

また、大事な言葉の前後では短い「間」を取ることが大切です。

「感謝の気持ちでいっぱいです」や「これからも応援しています」といったフレーズの前に一呼吸置くだけで、印象が大きく変わります。

話し方の工夫	効果
ゆっくり話す	落ち着いた印象を与える
間を取る	感情が伝わりやすくなる
視線を合わせる	聴衆との一体感が生まれる

原稿を読み上げるだけではなく、会場全体を見渡しながら語るように意識しましょう。

心を込めて話す姿勢そのものが、最も印象に残るポイントです。

読む時の姿勢・声の出し方・緊張対策

卒業式のような厳かな場では、緊張するのは当然のことです。

大切なのは、「うまく読もう」とするよりも、「思いを伝えよう」と意識を切り替えることです。

姿勢は背筋を伸ばし、原稿は胸の高さで持つと声が出しやすくなります。

マイクとの距離はおよそ20センチを目安にし、息を吸ってからゆっくりと話し始めましょう。

ポイント	理由
背筋を伸ばす	自然に声が通る
原稿を高く持つ	視線が下がらず聴衆と目が合う
一呼吸おいて話す	落ち着いた印象を与える

「緊張しても大丈夫」と心の中でつぶやくことが、いちばんの安定剤になります。

次の章では、いよいよ実際の「中学校 卒業式 保護者謝辞 例文」を紹介します。

そのまま使えるフルバージョンや、短めのスピーチ形式も用意しています。

中学校 卒業式 保護者謝辞 例文【フルバージョン＋短縮版】

ここでは、実際に使える謝辞の例文を5種類ご紹介します。

フォーマルな場面から、親しみのある雰囲気の学校まで幅広く対応しています。

ご自身の言葉にアレンジしながら、お子さんや学校の雰囲気に合ったものを選んでください。

例文①：フォーマルで上品な謝辞（正式式典向けフルバージョン）

本日は、卒業生の保護者を代表いたしまして、一言お礼の言葉を述べさせていただきます。

春の光がやわらかく差し込むこの佳き日に、◯◯中学校第◯◯回卒業生◯◯名が、無事にこの日を迎えられましたことを、心よりお祝い申し上げます。

この3年間、子どもたちは勉強に部活動にと全力で取り組み、多くの経験を通して大きく成長いたしました。

ときには悩み、立ち止まりながらも、仲間と支え合い、励まし合って乗り越える姿に、私たち保護者もたくさんの勇気をもらいました。

その成長を支えてくださいました先生方に、心より感謝申し上げます。

日々の授業はもちろん、進路指導や生活面においても、子どもたち一人ひとりを丁寧に見守り、導いてくださったことに深くお礼を申し上げます。

また、地域の皆さまにも、登下校の安全見守りや行事のご協力など、多方面から支えていただきました。

この場をお借りして、心から感謝申し上げます。

卒業生の皆さん、今日という日は、新たなスタートの日です。

これから進む道では、楽しいことも、きっと試練もあるでしょう。

ですが、◯◯中学校で過ごした日々、そしてここで培った力と仲間との絆が、皆さんを支えてくれるはずです。

どうか、自信を持って歩み続けてください。

最後に、先生方、地域の皆さま、そして保護者の皆さま。

子どもたちのために尽力してくださったことに、改めて感謝申し上げます。

皆さまのご健康と、卒業生の輝かしい未来を心よりお祈り申し上げます。

本日は誠にありがとうございました。

例文②：温かく感動的な謝辞（家庭的な雰囲気の学校向け）

本日は、卒業生の保護者を代表して、一言ご挨拶申し上げます。

この3年間、子どもたちは多くの出会いと経験の中で、本当にたくましく成長しました。

行事のたびに見せてくれた笑顔や、悔しさを乗り越えて努力する姿は、私たち保護者にとっても大切な思い出です。

先生方には、日々の授業だけでなく、子どもたちの心に寄り添い、支えていただきました。

その温かいご指導に、心から感謝申し上げます。

卒業生の皆さん、これから新しい世界が広がっています。

時には不安を感じることもあるかもしれませんが、自分を信じて一歩ずつ進んでください。

私たち保護者は、いつも皆さんの味方です。

これまで見守ってくださったすべての方に、心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

例文③：短くシンプルな謝辞（2〜3分でまとめたい方向け）

卒業生の保護者を代表し、感謝の気持ちをお伝えいたします。

この3年間、子どもたちは多くの経験を通して大きく成長しました。

その成長を支えてくださった先生方、地域の皆さまに深く感謝いたします。

卒業生の皆さん、新しい道でも、自分を信じて歩んでください。

本日は、本当にありがとうございました。

例文④：父親代表としての謝辞

本日は、卒業生の保護者を代表して、父親の立場から一言ご挨拶申し上げます。

この3年間、我が子を含め、子どもたちはたくさんの経験を重ね、心も体も大きく成長いたしました。

部活動や学校行事に一生懸命取り組む姿を通じて、仲間の大切さや努力の尊さを学んだと思います。

先生方の温かいご指導に心より感謝申し上げます。

これからも子どもたちがそれぞれの道で輝けるよう、私たち保護者も支え続けてまいります。

卒業生の皆さん、これからも自分を信じて挑戦してください。

本日はありがとうございました。

例文⑤：コロナ禍・簡略式向けの謝辞（制限のある式典対応）

本日は、このような形で卒業式を開催していただけましたことに、心より感謝申し上げます。

例年とは異なる状況の中でも、先生方が工夫を重ね、子どもたちが無事に卒業を迎えられたことを心からうれしく思います。

この3年間で、子どもたちは多くの壁を乗り越えながら成長してまいりました。

保護者一同、先生方のご尽力に深く感謝申し上げます。

卒業生の皆さん、新しい日々が皆さんにとって充実したものとなりますように。

本日は誠にありがとうございました。

タイプ	特徴	おすすめの場面
フォーマル型	品格ある構成と丁寧な語り口	来賓や地域関係者の多い式典
温かみ型	親しみやすく感情豊か	家庭的な雰囲気の学校
短縮型	2〜3分で簡潔にまとめる	時間制限のある式典
父親代表型	落ち着いた口調で誠実さを表現	男性保護者が担当する場合
簡略式型	柔らかくも簡潔な感謝中心構成	行事制限のある年度

どの例文も、「感謝・成長・未来」の3つを柱にしています。

言葉を少し変えるだけで、ご自身の気持ちを自然に重ねられるでしょう。

次の章では、これらの謝辞をより魅力的に届けるための「実践と練習のポイント」を紹介します。

謝辞を成功させるための準備と練習法

どんなに良い謝辞でも、当日うまく伝えられなければ、その魅力が半減してしまいます。

ここでは、原稿の準備から練習のコツ、そして式当日の立ち居振る舞いまでを具体的に解説します。

ちょっとした意識の違いで、話し方にも安心感と温かみが生まれます。

原稿の印刷・持ち方・読むスピード

まずは、謝辞の原稿をきれいに整えることから始めましょう。

当日は緊張で手元が震えたり、ページがめくりにくくなったりすることがあります。

そのため、原稿はA4サイズの紙に大きめの文字で印刷するのがおすすめです。

段落ごとに余白を入れ、行間を広くすると読みやすくなります。

項目	ポイント
文字サイズ	14〜16pt程度（老眼鏡を使わず読める大きさ）
行間	1.5倍〜2倍
紙質	薄すぎない上質紙（光の反射を防ぐ）
持ち方	胸の高さで両手で持つ（視線が下がらない）

読むスピードは、日常会話よりも少しゆっくりめを意識しましょう。

焦らず、1文ごとに一呼吸置くことで、感情も伝わりやすくなります。

「急がず、丁寧に」それだけで印象が大きく変わります。

緊張を和らげる呼吸法と心の準備

人前で話すときに最も大切なのは「呼吸のリズム」です。

話す前に、ゆっくりと深呼吸を2回ほど行うだけで、声が安定し、気持ちも落ち着きます。

緊張を完全になくすことはできませんが、それを「うまく話そうとするプレッシャー」ではなく、「感謝を届けたい気持ち」に変えることが大切です。

練習の段階で、鏡を見ながら話したり、家族に聞いてもらうのも効果的です。

練習法	目的
鏡の前で読む	姿勢・表情・目線を確認できる
録音して聞く	スピードと声のトーンを客観的に把握できる
家族に聞いてもらう	自然な話し方の最終チェックになる

練習を重ねると「原稿を読む」から「想いを話す」に変わり、自然な言葉になります。

練習は「暗記」ではなく「安心」のためにするものと考えると、気持ちが楽になります。

卒業式当日のマナーと服装の注意点

卒業式は厳粛な場ですので、服装や立ち居振る舞いにも気を配りましょう。

服装は派手すぎず落ち着いた色を選び、アクセサリーや香りなども控えめにするのが基本です。

壇上では姿勢を正し、マイクの高さを調整してから話し始めます。

また、話し終わった後は、深く一礼をして静かに席に戻ると印象が良くなります。

場面	ポイント
壇上に上がるとき	ゆっくりと歩き、原稿を両手で持つ
マイクの前に立つ	軽く会釈してから話し始める
話し終えた後	一礼して静かに退く

式の一部として謝辞を任されるということは、それだけ信頼されている証でもあります。

焦らず、自信を持って、感謝の気持ちを言葉にしてください。

あなたの一言一言が、式を温かく締めくくる光になります。

次の章では、記事全体の締めくくりとして、心に残るまとめをお届けします。

まとめ：感謝の言葉が子どもたちの未来を照らす

中学校の卒業式で述べる保護者謝辞は、ただの形式的なスピーチではありません。

それは、3年間という時間を共に歩んできた子どもたちへのねぎらいと、学校への感謝を伝える大切な「最後のメッセージ」です。

どんなに短い言葉でも、心を込めて話すことで、必ず聴く人の心に届きます。

この記事で紹介したように、謝辞の基本構成を押さえながら、自分らしい言葉を少しずつ重ねていくことが大切です。

難しい表現を使う必要はなく、むしろ日常の中の小さな感謝や、子どもたちへの信頼の言葉こそが最も美しく響きます。

感謝・思い出・未来という3つの軸を意識すれば、自然と温かいスピーチに仕上がります。

最後にもう一度、謝辞の核となるポイントを整理しましょう。

項目	要点
感謝	先生方や地域の方々へのお礼を丁寧に伝える
思い出	子どもたちの成長の瞬間を短く具体的に語る
未来	卒業生へ明るいメッセージで締めくくる

これらの要素をバランスよく取り入れた謝辞は、聞く人の心に優しく残ります。

「うまく話す」ことよりも「心を込めて話す」こと。

その姿こそが、子どもたちにとっても、忘れられない思い出となるはずです。

卒業式という大切な節目に、温かい言葉で式を締めくくりましょう。

この記事が、あなたの謝辞づくりの支えとなり、感謝の想いを美しく伝えるきっかけになれば幸いです。