1歳児の8月個人記録例文！生活・ことば・関わりをまとめた保育記録

8月は、1歳児にとって季節の変化や新しい体験を通して、ぐんと成長を感じられる時期です。

気温の高さや生活リズムの揺らぎなど、環境の影響を受けやすい季節でもありますが、そのなかで見せる子どもたちの表情や行動には、日々の積み重ねがしっかりと表れています。

この記事では、「生活」「ことば」「人との関わり」の3つの観点から、8月の1歳児クラスにぴったりな個人記録例文を紹介します。

観察のポイントやコメントの書き方もわかりやすくまとめていますので、現場でそのまま使える実践的な内容になっています。

保育者の皆さんが子どもの成長をより深く見つめ、保護者と温かく共有できる記録づくりのヒントとしてご活用ください。

1歳児の8月はどんな時期？成長の特徴と生活リズム
8月の1歳児の「生活・体の様子」記録例文
8月の「ことば・表現の発達」記録例文
8月の「人との関わり」記録例文
8月の個人記録に使える「まとめコメント例」
まとめ｜1歳児の8月を記録に残す意義とポイント
1. 成長の小さな変化をどう見つけるか
2. 家庭と園をつなぐ記録づくりの心がけ

1歳児の8月はどんな時期？成長の特徴と生活リズム

8月は、まぶしい太陽とともに日差しが強くなる季節です。

1歳児にとっては、体を動かす遊びが増え、生活リズムが少しずつ整ってくる大切な時期でもあります。

この章では、真夏の環境が与える影響や、日々の生活リズムをどう見守るかについて解説します。

真夏の環境が与える影響と体調管理のポイント

8月は暑さのピークを迎えるため、子どもたちの過ごし方に工夫が必要です。

涼しい時間帯に戸外で遊ぶ時間を設け、無理のないペースで体を動かすことが大切です。

また、汗をかいたときには着替えを促すなど、快適に過ごせるようにサポートしましょう。

時間帯	おすすめの活動
午前中（涼しい時間）	外遊び・散歩
午後（室内中心）	感触遊び・製作遊び

子どもの様子をよく観察し、穏やかに過ごせる環境づくりがポイントです。

生活習慣とリズムの変化をどう見守るか

1歳児は、起きる時間や食事のタイミングなど、少しずつ生活のリズムが安定していく時期です。

ただし、暑さで寝つきが悪くなることもありますので、無理に整えようとせず、子どものペースを尊重することが大切です。

保育者が穏やかに声をかけることで、安心して生活リズムを取り戻せるようになります。

生活リズムのポイント	対応のコツ
寝つきにムラがある	入眠前の絵本タイムなどで気持ちを落ち着かせる
食事の時間が不安定	少量をこまめに提供して無理なく食べられるようにする

子どもによってリズムの整い方は違うため、比較せず個々のペースを大切にしましょう。

1歳児の「できること」が増える8月の観察ポイント

この時期の子どもたちは、歩く距離が少しずつ伸びたり、簡単な言葉を真似したりと、新しい姿を見せてくれます。

「自分でやってみたい」という気持ちも強くなるため、できたことを一緒に喜ぶ時間を多く取ると良いでしょう。

また、身近な人との関わりを通して、表情や反応にも変化が現れます。

観察ポイント	見られる行動例
身体の動き	段差をのぼる、ボールを転がす
ことば・表現	保育者の声をまねして言葉を出す
人との関わり	友だちに笑いかける、同じ遊びを楽しむ

「できるようになった瞬間」を逃さず記録することが、8月の成長を実感できるポイントです。

8月の1歳児の「生活・体の様子」記録例文

この章では、8月の1歳児に見られる生活面の変化や、体の動きに関する記録例を紹介します。

食事や睡眠、排泄などの生活リズムのほか、水遊びや室内遊びを通して見られる成長の姿を具体的にまとめました。

食事・睡眠・排泄などの生活リズムに関する記録例

1歳児は生活リズムが少しずつ安定してくる時期ですが、季節の影響でリズムに揺らぎが出やすいのも特徴です。

無理に整えようとせず、子どもの様子を観察しながら、心地よいペースで過ごせるように支えましょう。

観察ポイント	記録の例文
食事	毎日しっかり食べ、苦手な野菜にも少しずつ手を伸ばす姿が見られました。
睡眠	寝つきにムラがありましたが、絵本を読む時間を設けると落ち着いて布団に入ることができました。
排泄	保育者に知らせるしぐさが見られ、少しずつ自分の感覚を意識できるようになっています。

「自分のペースで過ごせているか」を意識して記録することで、より温かい観察ができます。

水遊び・室内遊びなど夏ならではの活動記録例

8月は水や感触を使った遊びが盛んな季節です。

暑さの中でも子どもたちは夢中になって活動し、手足を使って全身で夏を感じています。

遊びの中に見られる表情や集中の様子を記録に残しましょう。

遊びの種類	記録の例文
水遊び	冷たい水の感触を楽しみながら、手で水をすくったり容器に入れたりする姿が見られました。
感触遊び	寒天や氷などの素材に興味を示し、不思議そうに指で触れる様子がありました。
室内遊び	ままごとや積み木に夢中になり、集中して遊ぶ時間が増えています。

遊びの中で見せる表情やしぐさは、心の成長を映す大切なサインです。

健康や体調の変化を伝える表現例

季節の変わり目は、体調が変化しやすい時期でもあります。

小さな変化を見逃さず、穏やかに過ごせた日の記録も大切にしましょう。

日々の様子を丁寧に書くことで、保護者との共有にもつながります。

観察のポイント	記録の例文
日中の活動	暑さを感じる日もありましたが、水分をとりながら穏やかに遊ぶことができました。
休息の様子	午睡後はすっきりした表情を見せ、午後もゆったりと過ごしていました。
表情・姿勢	顔に明るい表情が増え、好きな遊びに夢中になる時間が長くなっています。

小さな変化を積み重ねて観察することが、子どもの安心感と成長の記録につながります。

8月の「ことば・表現の発達」記録例文

この章では、1歳児が言葉やしぐさを通して自分の気持ちを伝えようとする様子を紹介します。

喃語（なんご）から簡単な言葉への移行が見られるこの時期は、子どもたちの世界がぐっと広がる瞬間です。

ことばの量だけでなく、「伝えたい気持ち」に注目して観察・記録を行いましょう。

喃語から言葉への発達を捉えるポイント

1歳児の8月は、音のリズムや声のトーンを変えながら話す姿が見られる時期です。

「あー」「まー」などの喃語に加え、日常生活でよく聞く単語をまねする様子も増えてきます。

保育者がゆっくりと言葉を返すことで、自然に語彙（ごい）が広がります。

観察ポイント	記録の例文
喃語の段階	「あっ」「んー」などの声を出しながら、周囲の音に反応する姿が見られました。
単語の使用	「これ」「あっち」と指差しながら話す様子があり、伝えようとする気持ちが感じられました。
声の抑揚	好きな歌に合わせて声を出し、音のリズムを楽しむ姿が増えています。

発した言葉の数よりも、「伝えたい」という表情やしぐさを大切に記録しましょう。

「伝えたい気持ち」が見える具体的な例文

この時期の子どもたちは、ことばとしぐさを組み合わせて思いを表現します。

言葉にならない部分も、指差し・視線・笑顔などで伝えてくれるのが1歳児らしい姿です。

観察時は、「どんな気持ちを表していたのか」に焦点を当てて書き残しましょう。

場面	記録の例文
要求を伝える	気になる玩具を見つけると指差しながら「これ」と言い、保育者に取ってほしい様子を見せました。
感情の表現	友だちの笑顔につられて声を出して笑う姿があり、共感の芽生えが感じられました。
発見の共有	窓の外を指差して「わんわん」と言い、動くものへの関心を楽しそうに伝えていました。

「自分の気持ちを伝える経験」を重ねることで、子どもの安心感と信頼関係が育ちます。

歌・手遊び・模倣から広がる表現力

歌やリズム遊びは、1歳児の表現を豊かにする大切な活動です。

手をたたく、体をゆらすなどの動きは、音や言葉に親しむ第一歩になります。

また、保育者の動きをまねしながら、表情豊かに表現する姿も増えてきます。

活動内容	記録の例文
手遊び	「いないいないばあ」の歌に合わせて両手を顔の前で動かし、笑顔を見せていました。
模倣遊び	保育者の動きをまねして「ばんざい」をする姿があり、楽しみながら体で表現しています。
リズム活動	音楽に合わせて体をゆらし、リズムに乗ることを楽しんでいました。

日常の遊びを通して、ことばと動きが自然に結びついていく姿を丁寧に記録しましょう。

8月の「人との関わり」記録例文

この章では、1歳児が保育者や友だちと関わる中で見せる成長の姿を紹介します。

8月は、信頼関係や思いやりの芽生えなど、人との関わりがより豊かに広がる時期です。

相手との距離の取り方や、笑顔・まねっこ・共同の遊びなどに注目して記録しましょう。

保育者との関わりに見られる成長サイン

1歳児は、安心できる大人との関わりを通して自信を育んでいきます。

抱っこや声かけなど、保育者とのやりとりが子どもにとって大きな支えになります。

この関係性の中に、信頼や安心感が表れる瞬間を丁寧に捉えましょう。

場面	記録の例文
安心して遊ぶ	保育者のそばでおもちゃを並べながら遊び、時折顔を見上げて笑顔を見せていました。
甘える様子	疲れたときには保育者に寄り添い、落ち着くと再び遊びに戻る姿が見られました。
言葉のやりとり	保育者に話しかけられると顔を見てうなずくなど、簡単なやりとりを楽しむ様子がありました。

信頼できる大人との関わりが、安心して行動できる土台を作ります。

友だちとの関係づくり・思いやりの芽生え

この時期になると、同じクラスの子どもへの関心が強くなります。

まだ言葉でのやりとりは少ないですが、目を合わせたり、同じ空間で遊んだりすることが「関わりの始まり」です。

思いやりや譲り合いの気持ちが少しずつ芽生える様子を、やさしい言葉で記録していきましょう。

観察のポイント	記録の例文
他児への関心	友だちの持っているおもちゃに興味を示し、近くに座って一緒に遊ぼうとする姿が見られました。
模倣・共感	友だちが笑うと自分も笑うなど、同じ感情を共有するような様子がありました。
思いやりの芽生え	泣いている子のそばに静かに寄り添う姿があり、相手を気にかける気持ちが感じられました。

子ども同士の自然な関わりを見守ることが、社会性の育ちを支える第一歩になります。

協調性や社会性の育ちを伝える表現例

集団生活に慣れてくると、遊びの中でルールを学んだり、友だちと一緒に行動する機会も増えます。

協調性の発達はゆるやかですが、「一緒に楽しむ」経験の積み重ねが次の成長につながります。

保育記録では、子ども同士の関係が深まっていく過程を丁寧に描きましょう。

場面	記録の例文
共同の遊び	友だちと同じブロックを並べて遊ぶ姿があり、「一緒に作る」楽しさを感じているようでした。
協調の芽生え	順番を待つ姿が見られるようになり、少しずつ周囲との調和を意識できるようになっています。
関係の深まり	いつも同じ友だちのそばに行き、笑顔で声をかけるなど、親しみのある関係が築かれています。

「一緒にいる時間が楽しい」と感じることが、1歳児の社会性を育てる大切な要素です。

8月の個人記録に使える「まとめコメント例」

この章では、1か月の成長を温かく振り返るためのまとめコメントを紹介します。

保育者から保護者へ、子どものがんばりや日々の変化を伝える際に使える表現を中心にまとめました。

子どもの努力を肯定し、次の月への期待を自然に込めるような書き方を意識していきましょう。

保護者への温かい伝え方のコツ

コメントの目的は、子どもの成長を「報告すること」ではなく「一緒に喜ぶこと」です。

できたことだけでなく、取り組もうとする姿勢や工夫の過程を伝えると、読んだ保護者の心に届きます。

一人ひとりの頑張りを丁寧に言葉にすることで、園と家庭の信頼関係が深まります。

ポイント	具体例
努力を認める	「少しずつ挑戦する姿が増え、成長を感じる場面が多くなりました。」
家庭との連携	「ご家庭でのサポートもあり、園でも落ち着いて過ごせる時間が増えています。」
安心感を伝える	「毎日笑顔で登園し、好きな遊びを通して自分らしさを発揮しています。」

保護者と共に子どもの成長を喜び合う言葉選びを意識しましょう。

成長と次月への期待をつなぐまとめ例文

まとめコメントでは、「今月できたこと」から「来月への楽しみ」につなげる書き方が効果的です。

未来を感じさせる一文を添えることで、読み手の気持ちが前向きになります。

以下にそのまま使える文例を紹介します。

テーマ	コメント例
活動の広がり	暑い日が続きましたが、いろいろな遊びに意欲的に取り組む姿が見られました。これからも新しい遊びを一緒に楽しんでいきたいと思います。
人との関わり	友だちとの関わりが増え、笑顔で過ごす時間が多くなりました。来月もたくさんのやりとりを見守っていきます。
表現・言葉の成長	好きな歌を口ずさんだり、保育者の動きをまねしたりと、表現する楽しさが広がっています。さらに豊かな表情を見せてくれそうです。

「これからも一緒に成長を見守ります」という気持ちを込めると、あたたかい印象になります。

コメント欄に使える丁寧でポジティブな言葉

最後に、月末の個人記録や通信欄にそのまま使えるコメント例を紹介します。

短い文章でも、子ども一人ひとりの頑張りを認める言葉を意識することが大切です。

優しいトーンで締めくくることで、全体がまとまりのある印象になります。

シーン	コメント例
総括コメント①	暑さの中でも笑顔で過ごし、毎日を元気に楽しむことができました。夏ならではの体験を通して、またひとつ大きく成長しています。
総括コメント②	日々の中で少しずつできることが増え、自信を持って活動に取り組む姿が見られました。来月も温かく見守っていきたいと思います。
総括コメント③	友だちとの関わりを通して、やさしさや思いやりが芽生えています。これからも一緒に成長を喜び合える毎日を大切にしていきます。

丁寧な言葉で締めくくることで、保育記録全体の印象がより温かく伝わります。

まとめ｜1歳児の8月を記録に残す意義とポイント

8月は、1歳児にとって成長の変化が大きく現れる時期です。

気温や生活環境の影響を受けながらも、自分なりのリズムで日々を過ごす子どもたちの姿には、多くの発見があります。

この章では、月ごとの記録をどのように残していけばよいか、その意義と実践のポイントを整理します。

成長の小さな変化をどう見つけるか

1歳児の変化は、一見すると些細に見えることが多いものです。

しかし、「昨日より少し長く歩けた」「初めて『どうぞ』が言えた」など、日々の小さな積み重ねが確かな成長につながります。

その一瞬を見逃さず、温かい視点で記録に残すことが、子どもの自己肯定感を育てる第一歩です。

観察の視点	具体的なポイント
行動の変化	新しい遊びや動作に挑戦しているか
感情の表現	笑顔・涙・しぐさなどで気持ちを表しているか
関わりの姿	保育者や友だちにどんな反応を示しているか

「できたこと」だけでなく、「挑戦している姿」を書き残すことで、記録がより豊かになります。

家庭と園をつなぐ記録づくりの心がけ

個人記録は、園だけのものではなく、家庭と気持ちを共有するための大切なツールです。

子どもの姿を具体的に伝えることで、保護者も安心し、家庭での関わりに活かすことができます。

また、園での様子を知ることで、家庭との連携がよりスムーズになります。

心がけのポイント	実践例
具体的に書く	「楽しく遊んでいた」ではなく、「水に触れて笑顔で手を動かしていた」と記録する。
ポジティブに伝える	課題よりも、できたこと・取り組もうとしている姿に焦点を当てる。
未来につなげる	「次はどんな姿が見られるだろう」という期待を一文添える。