寒中見舞いはいつからいつまで?関西と関東の違い・遅れた時の正しい対応

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寒中見舞いは、お正月のにぎやかさが落ち着いた頃に送る、冬のご挨拶です。

年賀状を出しそびれたときや、喪中の方へのお便りとしても使えるため、「いつ出せばいいの?」と悩む人も多いのではないでしょうか。

この記事では、寒中見舞いを出す正しい時期や、関西と関東で異なる「松の内(まつのうち)」の違い、そしてもし時期を過ぎてしまった場合のスマートな対応方法をわかりやすく解説します。

この記事を読めば、季節のマナーを自然に守りながら、相手に心のこもった印象を届けられます。

寒中見舞いとは?どんなときに出すの?

寒中見舞いは、冬の厳しい時期に相手の様子を気づかうための日本ならではのご挨拶です。

この章では、寒中見舞いの意味や由来、そしてどんな場面で使うのが適切なのかを分かりやすく解説します。

寒中見舞いの意味と由来

寒中見舞いは、一年の中でも特に寒さが厳しい「寒中(かんちゅう)」の時期に出すご挨拶状です。

もともとは、寒さが続く時期に「お体を大切にお過ごしください」という気づかいを伝えるために送られていました。

現在では、お正月の華やかさが落ち着いた後に、改めて気持ちを伝える手段として多くの人に親しまれています。

暦の上では、二十四節気の「小寒(しょうかん)」から「大寒(だいかん)」の間を「寒中」と呼びます。

つまり、寒中見舞いはこの期間に送るのが伝統的なスタイルです。

区分 時期 特徴
小寒 1月上旬〜中旬 寒の入り。冬本番の始まり。
大寒 1月中旬〜2月上旬 最も寒さが厳しい時期。

喪中や年賀状を出しそびれた場合の使い方

寒中見舞いは、年賀状を出せなかったときや、喪中の方へのご挨拶としてもよく使われます。

たとえば、身近な方が喪中で年始のご挨拶を控えた場合でも、寒中見舞いならば落ち着いた時期にお便りを送ることができます。

また、年賀状の返事を出しそびれてしまった場合にも、寒中見舞いとして改めて感謝の気持ちを伝えるのが丁寧です。

寒中見舞いは「遅れてしまったけど、気持ちは伝えたい」という想いを表すのにぴったりです。

このように、単なる季節の挨拶にとどまらず、人と人との心のつながりを感じさせる大切な文化といえます。

寒中見舞いは、寒い季節に「思いやり」を形にする日本の伝統的なコミュニケーションです。

形式よりも、相手を気づかう気持ちをこめて書くことが何より大切です。

寒中見舞いはいつからいつまでに出す?

寒中見舞いは、出す時期を間違えるとマナー違反になることもあるため、正しい期間を知っておくことが大切です。

この章では、一般的な期間の考え方と、地域による違い、そして実際のカレンダーで見る目安を解説します。

松の内が明けてから立春前日までが基本

寒中見舞いを出す時期の基本は、「松の内(まつのうち)」が明けた後から「立春(りっしゅん)」の前日までです。

松の内とは、お正月飾りを飾っておく期間のことを指し、地域によって日付が異なります。

関東では1月7日まで、関西では1月15日までが一般的です。

つまり、寒中見舞いを出すのにふさわしい期間は、関東なら1月8日〜2月3日頃、関西なら1月16日〜2月3日頃と考えるのが自然です。

地域 松の内の期間 寒中見舞いを出す時期
関東 1月1日〜1月7日 1月8日〜2月3日
関西 1月1日〜1月15日 1月16日〜2月3日

この期間に相手に届くように出すのが、寒中見舞いとしてもっとも丁寧な形です。

関東と関西で違う「松の内」の期間とは

関東と関西で松の内の期間が異なる理由は、歴史的な背景にあります。

江戸時代に幕府が「松の内を1月7日まで」と定めたため、関東ではそれが定着しました。

一方、関西ではその前からの風習である「1月15日まで」が今も残っています。

そのため、同じ日本でも地域によって感覚に違いがあるのです。

寒中見舞いを出す際は、相手の住む地域に合わせるのがマナーとされています。

カレンダーで見る具体的な時期の目安(2025年版)

では、2025年の暦で見ると、寒中見舞いを出す最適な期間はいつになるのでしょうか。

2025年の立春は2月4日(火)です。

したがって、寒中見舞いとして出すなら、2025年1月8日〜2月3日の間に届くようにするのが理想です。

立春 寒中見舞いの期間(関東) 寒中見舞いの期間(関西)
2025年 2月4日(火) 1月8日〜2月3日 1月16日〜2月3日

このように、日付を確認して出すことで、形式にのっとった丁寧な印象を与えられます。

「松の内が明けてから立春前日まで」が寒中見舞いの黄金ルールと覚えておくと安心です。

寒中見舞いが遅れたときの正しい対応

「出そうと思っていたのに、気づいたら2月を過ぎていた…」ということもありますよね。

この章では、寒中見舞いを出す時期を過ぎてしまった場合の正しい対応方法と、マナーのポイントを紹介します。

立春を過ぎたら「余寒見舞い」に切り替える

寒中見舞いは立春の前日までが基本です。

立春を過ぎたら、「余寒見舞い(よかんみまい)」という別の表現に切り替えましょう。

余寒見舞いは、寒さがまだ残る時期に送る挨拶状で、寒中見舞いの延長線上にあるものです。

2月4日から2月下旬頃までに届くように出すのが一般的とされています。

この期間に送れば、マナー的にも自然で丁寧な印象を与えられます。

区分 出す時期 主な内容
寒中見舞い 1月8日〜2月3日 寒さを気づかう季節の挨拶
余寒見舞い 2月4日〜2月下旬 寒さが続く中での気づかいの挨拶

出す時期が遅れた場合のマナーと注意点

遅れてしまった場合でも、まったく出さないよりは丁寧な言葉を添えて送るのが望ましいです。

ただし、文面にはいくつかの注意点があります。

  • 「新年おめでとうございます」などの年賀の言葉は使わない。
  • 季節の挨拶から入り、近況や相手を気づかう内容を中心に書く。
  • 最後に相手の健康を願う言葉で締めくくる。

たとえば次のような文章が自然です。

「余寒お見舞い申し上げます。寒さもまだ続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。これからも穏やかな日々をお過ごしください。」

立春を過ぎてからでも、言葉を選べば失礼にはなりません。

むしろ「気づかってくれた」と感じてもらえることが多いです。

大切なのは、時期よりも「相手を思う気持ちをきちんと伝えること」です。

寒中見舞いの書き方と文例

寒中見舞いは、形式よりも「心を込めて書くこと」が一番大切です。

とはいえ、どんな言葉を選べばよいか悩む方も多いですよね。

ここでは、書くときの基本マナーと、目的別の文例を紹介します。

使ってはいけない言葉・避けるべき表現

寒中見舞いはお祝いの挨拶ではないため、年賀状のような言葉を使うのは避けましょう。

「新年おめでとうございます」「賀正」「謹賀新年」などはNGです。

また、喪中の相手に送る場合は、「お祝い」「華やか」「明るい」などの表現も控えるのが丁寧です。

代わりに、落ち着いたトーンで「寒さ厳しき折」「ご自愛くださいませ」といった言葉を使うと自然です。

避ける言葉 代わりに使える表現
新年おめでとうございます 寒中お見舞い申し上げます
お祝い申し上げます お変わりなくお過ごしでしょうか
華やかな 穏やかな

一般・喪中・ビジネス別の文例集

目的に合わせた文例を用意しておくと、迷わずに書けます。

  • 一般的な文例
    「寒中お見舞い申し上げます。寒さもいっそう厳しくなってまいりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。どうぞあたたかくしてお過ごしください。」
  • 喪中の方への文例
    「寒中お見舞い申し上げます。ご服喪中のことと存じます。寒さが続く折、どうぞご無理なさらずお過ごしくださいませ。」
  • ビジネス向けの文例
    「寒中お見舞い申し上げます。平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。」

文面の長さよりも、相手に伝わる言葉選びを意識することが大切です。

文面の構成とおすすめのデザイン

寒中見舞いは、読みやすい構成で書くと印象が良くなります。

基本的な構成は次のようになります。

構成要素 内容
① 季節の挨拶 「寒中お見舞い申し上げます」などの冒頭の挨拶
② 相手を気づかう言葉 「お変わりなくお過ごしでしょうか」など
③ 自分の近況 「おかげさまで元気に過ごしております」など
④ 結びの言葉 「どうぞご自愛くださいませ」など

デザイン面では、控えめな色合いや和風のイラストが好印象です。

梅や雪景色などのモチーフを使うと季節感が出ます。

見た目よりも「伝わる心」を意識するのが、寒中見舞いの基本です。

関西と関東のマナーの違いまとめ

寒中見舞いの時期や出し方には、地域によって微妙な違いがあります。

この章では、関西と関東の違いを整理しながら、相手に合わせたマナーのポイントを解説します。

なぜ地域によって松の内が違うのか

関東と関西で寒中見舞いを出す時期が異なるのは、「松の内(まつのうち)」の日程が違うためです。

松の内とは、お正月飾りを飾っておく期間のことで、新年を祝う時期の目安でもあります。

江戸時代、幕府が「松の内は1月7日まで」と定めたことで関東では短くなりましたが、関西では昔からの習慣が残り「1月15日まで」が一般的です。

このため、寒中見舞いを出す時期も関西の方がやや遅めになります。

地域 松の内の期間 寒中見舞いを出す開始時期
関東 1月1日〜1月7日 1月8日から
関西 1月1日〜1月15日 1月16日から

地域ごとの風習を尊重することが、丁寧な印象を与えるポイントです。

送る相手が関西在住の場合の注意点

相手が関西地方に住んでいる場合、松の内が1月15日までとされていることを考慮しましょう。

たとえば、関東の感覚で1月8日に寒中見舞いを出すと、相手の地域ではまだ「お正月期間中」と受け取られる可能性があります。

そのため、関西に送る場合は1月16日以降に出すのが望ましいです。

地域の違いを理解しておくと、どんな相手にも失礼なく対応できます。

また、関西では古くからのしきたりを重んじる傾向があるため、文面も落ち着いた表現を意識するとよいでしょう。

相手の地域や文化を尊重することこそが、マナーの本質です。

まとめ|時期を守って丁寧なご挨拶を

ここまで、寒中見舞いの意味や出す時期、地域の違い、そして遅れた場合の対応について解説してきました。

最後に、この記事のポイントを整理して締めくくりましょう。

寒中見舞いは思いやりの気持ちを形にする手紙

寒中見舞いは、ただの季節の挨拶ではなく、相手を気づかう気持ちを届ける大切な文化です。

寒さの厳しい時期に「元気で過ごしていますか」と伝えるだけで、相手との距離がぐっと近づきます。

形式よりも心を込めた言葉を選ぶことが、最も大切なマナーです。

ポイント 要点
出す時期 松の内が明けてから立春の前日(2月3日)まで
地域差 関東は1月8日から、関西は1月16日からが目安
遅れた場合 2月4日以降は「余寒見舞い」として出す

遅れても「出さないより出す」が大切

寒中見舞いを出すタイミングを逃しても、丁寧な言葉で気持ちを伝えることに意味があります。

立春を過ぎてしまったら余寒見舞いとして出せば問題ありません。

「出しそびれたからもう遅い」と思わず、気づいたときにすぐ行動するのが大人のマナーです。

寒中見舞いは、心を届ける日本の美しい習慣。
日々の忙しさの中でも、ひとことの思いやりを忘れずに伝えてみましょう。

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